当店のサービスの一つに

「一度購入していていただいたお箸を永くお使いいただきたい」

という思いから始めた「拭き漆の塗り直し」
がございます

店頭で承る場合が多いのですが、インターネットや

お電話で承り、ご郵送頂く場合もございます

今回はその中で、心に残ったエピソードを紹介させて頂きます

傘寿を超えられた、

気品あふれる丁寧な言葉遣いをされる女性の方から、

「塗り直しをお願いします」というお電話をいただきました

お話をお伺いしていると

そのお箸は、お孫さまがご結婚式の時に、

引き出物として「夫婦箸」でいただいた

大切なお箸なのだだそうです

「その時は主人の分と一緒に頂いたのですが

主人が亡くなりまして、今回は私の分の塗り直しをお願いします」

ひとことひとこと、ゆっくりと語りかけるようなお話ぶりは

電話越しの私でも、その女性が

長い夫婦生活の中でお互いを思いやり、歩んできた

素晴らしいご夫婦だったのだろうな」と

容易に想像できるほど「やさしく、あたたかい」声でした

お箸をご郵送頂く手順などをひととおり、ご説明し

お電話を失礼させて頂き、後日、お箸が送られてきました

一枚の短いお手紙と一緒に・・

そのお手紙に書いてあった言葉を見て、

お箸やさんをやっていてよかったなと微笑ましく思いました

「「思いの詰まった大切なお箸を塗り直していただけるので

私も、これからまた、もうひと頑張りできるような気がします

本当に有難うございます。お箸の仕上がりを楽しみにしています」」

お箸には「魂が宿る」と昔から言います

捉え方によっては少し、「恐れ多い」ような気持ちになり

「どうしよう」と思ったりすることもありますが

私の捉え方が浅かったんだなと思います

お箸は、一日三回、食事のたびに手にします

そして食事の際に、繰り広げられる会話やその時の自分を

一番近くで「見守ってくれて」います

お箸は自発的に何も語りませんが、

少し大げさですが、使っている人の

「人生の縮図」的な思いも積み重なっていくのだと思います

お箸一膳でも、お客様にほんの少しでも

「生きる力」を強くしていただける「きっかけ」になって

そのことに自分が少しでも関われることに幸せを感じます

製作からお客様のお手元に届くまで

今まで以上に「心を尽くして」

頑張って行きたいと強く思いました

「お箸って深い」

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