恋愛に消極的な男性のことを

「草食系男子」と呼ぶのだそうですが

それとは意味合いが異なりますが

カップルや夫婦になっている場合の男性で

今では少なくなってきていますが

少し前の日本人男性は

自分の父も含めて

「江戸っ子」気質な人が多かったような気がします

 

キップがよく小さいことは気にしない

女性に対しての接し方でも

自分の気持ちは素直に言葉にせず

「そんなこと言わなくても分かってるだろ」というような

そんな、、男らしさは持っているけれど

やさしさを言葉に出来ない

どこかやんちゃな子供のようなところが

なんとも憎めない性格で・・・

自分の父親とも重なったお客様の

そんなエピソードを・・

 

耳順(60歳)くらいの男性のお客様が来店し、

開口一番、

「こんなにお箸があって、なんて落ち着くんだろう、

しばらく見せてください(^_^)」

いい意味での「豪快奔放」な方だなと思っていました

 

少ししたころ、奥様も来店され

お二人で別々の売り場を見ていらっしゃいました

時々奥様が「このお箸なんかいいわ」とおっしゃると

旦那様は、ちらっと奥様のほうを見て、

お前はセンスが無いな、」

はき捨てるようにおっしゃいました

あまり仲がよろしくない夫婦なのかなと

普段なら感じるところですが

・・何となく違っていました

言い方がどこか温かかったからです

 

しばらくして旦那様が

「この長寿箸ちょうだい」と

お箸を2膳持ってこられました

ご自分のお箸を買うとおっしゃっていたのに

持ってこられたのは2膳のお箸

ほどなくして奥様が

「あら、私のも買っていただけるの?」と

だんな様に問いかけると

旦那様は

「しょうがねぇ、ついてきちまったんだからな」

少し照れくさそうに私のほうを向いて言い

お会計を済まされると

商品を受け取る間もなく

「心が落ちついたよ、いいお店だね。またくるよありがとう(^^)」

と先にお店を後にされました

 

程なくして奥様がレジにこられて

あんなふうに言ってますが、本当は

私にお箸を買ってくれるつもりでお店によってくれたんですよ

「いつもああいう言い方しか出来なくて

・・不器用というか・・・」

私が「でも言葉の言い方に温かみがありましたよ」と言うと

奥様は長年付き添った夫婦でなくては

わからない見えない絆で結ばれているのだなと思えるように

「そうなんです。本当はやさしい人なんです。

素直に表現できないだけで・・・・」

私が「きっと奥様の存在が大切なことにいつも感謝していらっしゃいますよ」

とお声掛けすると

奥様はうれしそうに微笑みを浮かべ商品を受け取られ

お店を後にされました

 

私の父もそうですが母の前では

温かい言葉をほとんどかけません

子供のころはなんて仲の悪い親なんだろう

何で結婚したのだろうと思っていました

でも年を重ねるごとに少しずつわかってきました

母が風邪を引いたときに大好物のものを買ってきたり

偶然を装って何気ないやさしさを不器用にあらわす

男は必要以上に多くを語らず、背中でものを言う

そんな古くからの日本の男の美学のようなものが

あるのかもしれません

 

携帯電話・メール・そして欧米文化の普及によって

軽くなっていく「ありがとう」の言葉と「感謝の心」

気持ちをストレートに表し、受け取ることでしか

不安を取り除けないという

人と人との心のつながりと互いの信用の欠如

夫婦になってもお互いの存在の重みを感じられず

些細なことで相手を疑い

紙切れ一枚でくっついたり離れたり

そんな今だから、、なおさら今回のお客様のように

見えない絆で結ばれた夫婦の姿に

何となく温かみと憧れを持ったのかもしれません

 

とはいえ

そんな中でベストセラーになっている本の中では

人生の終焉で一番後悔することは

「本当に大切な人に、ありがとうと伝えなかったこと」

 

だそうです

お客様のような日本の男の美学は

全く持ち合わせていない

おしゃべりな私とは対照的ですが

今日、いらっしゃったお客様が

後悔する前に一度だけでも奥様に

「ありがとう」

といえるような日が来ることを

願ってやみません

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